謎の豪族 蘇我氏 (文春新書)



謎の豪族 蘇我氏 (文春新書)
謎の豪族 蘇我氏 (文春新書)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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まだまだ未解明な部分が多い日本古代史

高校までの歴史の授業における古代史が、いかに日本書紀史観に貫かれていたか、と今ごろになって強く感じはじめ、本書も手にした次第である。

日本書紀は何らかの意図をもって編纂されていた訳だから、その意図を読み取り、当時なりの国際情勢や、現在とは違っていたであろう天皇制も考慮に入れて日本古代史をひも解いていかなければならないと思うが、本書はそのことに成功していると思う。ただし、どこまで成功したのかは判断しかねる。
どういう過程で発展を遂げたのかが詳細に

●前作は史料の引用も多くまた私にとってあまり馴染みのない茫洋としたイメージの時代でしたのでかなり難しかったですがこれはかなり読みやすいです。史料の引用もそれほど多くなくまたそのほとんどが原文に書き下し文を添えています。●蘇我氏の研究は少ないようですがその理由は何でしょう。ただなんとなくではないと思いますが。●一部には古代史なんてまったくく興味ない、暗黒時代のような印象しか抱いてない方もおられます。そういう人に一読をお勧めします。この頃の日本の統治者は国際色豊かで外国人を登用するのに今よりかなりくだけて進取の気概があったようです。最高位は難しいですが大陸から来た人々がそれぞれの能力に見合った重要な地位に登っています。また鑑真和上や遣唐使のイメージで大陸への渡航は数年に一度あるかないかのような勘違いをしていましたがこの本を読むとそれも揺らぎます。かなり頻繁な文物の往来が行われていたようです。勿論人も。それから幕末並みの緊迫感に包まれていた傍から見ると非常に動きのある面白い時代だったようです。かなり疾風怒濤です。●蘇我氏というのはガッハッハ系の親方棟梁タイプというイメージでした。というか豪族というのはそういうものだと疑っておりませんでした。がこの本を読むとそれは違うみたいです。能吏というか秀才官僚的な出世の仕方で上り詰めたようです。藤原氏のような政略も姻戚関係以外はあまり使わなかったようです。純粋にテクノクラートとしての貢献で一目二目置かれる存在になったみたいで泥臭い謀略ではなく比較手クリーンな方法で栄達を遂げた一族なのです。●ヤマトノアヤ氏の表記が数種類で使われていてちょっと混乱しました。統一していただきたい。また蘇我氏の与力として自己も発展してきたヤマトノアヤ氏を一族一体で取り上げるだけでなくもう少し首領や主要人物の紹介も欲しいですね。またもう一本の柱石カワチノアヤ氏はさらに影が薄いです。もう少し説明が欲しい。加えてこの二族の改新後の消息も。ともあれ蘇我氏躍進の両翼を担ったこの二氏(正確には三氏か?)を取り上げたことは著者の特筆すべき慧眼でしょう。●蘇我氏と曽我氏の関係も教えていただけると思っていたのですがありませんでした。●崇仏論争について著者はもっと実利的な観点から読み解いております。蘇我氏が物部氏からもぎ取った果実を鑑みれば十分納得の行く見解であると思います。●後半のところどころで中臣鎌足が政敵として蠢動する様は他の本を読んだ私としては彼を過大評価しすぎて違和感ありました。●上の内容説明に なぜ一夜で滅んだのか という記述がありますが蘇我氏自体は改新後も息災です。傍流家はきちんと政権中枢に残留しています。本格的没落はもっと後です。
蘇我氏についての良質な入門書

この新書を読んで驚かされたのは、日本古代の政治史において非常に大きな存在であったはずの蘇我氏について、真正面から取り組んだ研究は少ないということだった。確かに調べてみると、厩戸皇子や大化の改新と絡めて蘇我氏をそれらの添え物的に扱う著作は多いのだが、蘇我氏そのものを中心に据えたものは案外に少なく、研究レベルのものは数えるほどしか見つからない。そんな中で、できる限り中立に蘇我氏四代の事績を検証しようとした跡が、本書のそこかしこに窺われる。

特に目から鱗なのは、蘇我氏の持つ「官僚としての貌」。蘇我氏は、その圧倒的な権勢下においてもけっして経済的・軍事的に突出した存在ではなく、朝廷と不可分な存在となったのにも関わらず、大化の改新のクーデタの一閃であっけなく滅亡してしまうに至るという分析は、非常に明晰で説得力がある。この大化の改新のクーデタを正当化するために必要以上に「逆賊」扱いされたために、後世の歴史研究においても「逆賊」のレッテルが貼り続けられ、蘇我氏に対するいらぬ先入観を生んでしまっているとの指摘が随所になされ、新たな蘇我氏像を描き直す必要性を著者は訴える。

そして、天皇の外戚として成り上がったのではなく、継体天皇以後の朝廷において渡来人系豪族を巧みに使いこなす官僚として蘇我氏が興隆し、継体以後の天皇と外戚関係を結び、物部氏との抗争に勝利するに至って強大な(とは言っても根無し草のような)「豪族としての貌」を持つに至ったとする著者の主張はとても新鮮だ。他にも、蘇我氏の仏教に対する信仰の厚さ、崇仏を通じてアジア文明圏に日本を組み入れたとする彼らの進取性、驕慢とされる入鹿の豊かな才能、蘇我氏傍系との対立などにも触れられ、面白い議論の材料に事欠かない。

手軽さ、網羅性、ロジックの組み立てなど蘇我氏四代の「入門書」として良質である上、非常に論争的でもあるため、好感が持てる著作だ。
魅力ある蘇我氏論

著者は学生時代から古代史を研究していたようで、既に読んだ「謎の大王 継体天皇」を見ても私心に捉われず文献を丹念に調査し、自説の考証を積み重ねて行く誠実な姿勢には好感が持てた。本書のテーマである蘇我氏は古代史ファンにとっては魅力あるものである。馬子の墳墓と言われる石舞台を私も観た事があるが、その周辺の空間はまさしく古代へ繋がっているようだった。

常に問題となる蘇我氏の出自だが、著者は考察の上、朝鮮半島系だと結論づけているようである。また、蘇我馬子は既に天皇だったという説があるが、著者はこれを否定している。そして、蘇我氏の東アジアに対する視野の広さを高く評価している。仏教の導入もその一つである。また、大化の改新に触れ、必ずしも入鹿の専横だけが原因ではなく、実は蘇我氏が考えていた律令政治への移行を、中大兄皇子、藤原鎌足が"横どり"したという大胆な説を述べている(元々は松本清張氏の発案らしいが)。

良く鎌足は馬子の手法を踏襲したと言われる。古代史のある時期に政治の中心的な立場にいた蘇我氏。滅びの美しさも手伝って古代史ファンの心を惹きつけて止まない蘇我氏の姿を映し出した良心的学究本。
古代史の空白を埋める誠実な努力

天皇をも凌駕するほどの勢力を誇った最有力豪族の蘇我氏がなぜ、あっけなく滅んでしまったのか。そもそも蘇我氏とは何だったのか。

古代日本最大の空白に挑む著者は大向こうを意識したりせず、丹念に文献に当たり、諸説を吟味しながら考察を進める。その姿勢はきわめて誠実で好感がもてる。文章も素直で読みやすい。

文献研究が著者の立場なので仕方ないのかもしれないが、読み進んでも具体的なイメージがなかなか浮かばないのが残念なところ。同時代を扱ったものとして武澤秀一『法隆寺の謎を解く』があるが、そこにおけるように遺跡から具体的イメージを立ち上げ(蘇我氏であれば飛鳥寺の復元や馬子の墓など)、それと文献の両方からアプローチしてゆけば、読者の理解もよりリアルになったかと思われる。
ナイモノねだりでごめんなさい…おススメの1冊であることにはかわりません。




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